私が入っている会社の労働組合は”企業別組合”ってやつみたいだけど、どういう意味?
こんな疑問にお答えします。
✅本記事の内容
- 労働組合の3層構造について
- 連合、産別、企業別についてそれぞれ解説
✅本記事の信頼性
当記事は、労働法などを学べるワークルール検定テキストを参考にしています。
労働組合にも様々な形があるんですよ!
目次
第一層 企業別と合同
日本において、ほとんどの組合員さんが加入するのがこの”企業別労働組合”と”合同労働組合”なのではないでしょうか。
以下それぞれの労働組合について説明していきます。
①:企業別労働組合
個別の企業ごとに組織される組合で、その企業の労働者で構成されています。
ここでいう労働者とは、日本では事務職や技術職、ホワイトカラーやブルーカラーといった職種に関わらず、終身雇用(長期的な雇用)で働く職場の仲間(管理職は除く)になりますね。
※カラーは襟のことで、ホワイトカラーとはいわゆるシャツにネクタイ締めてる事務やビジネスマン等全般、ブルーカラーは作業着を着て工場で働く方全般
団体交渉は、その企業と行うことが主体で、労働組合内で選挙等によって選ばれた組合幹部が会社経営陣と直接交渉を行います。
※団体交渉とは法律で定められている労働組合の権利になります↓
日本において大半の方はこの企業別労働組合に属するのではないでしょうか。
私の労組もここに該当しますね(*´▽`*)
私の労組ですと、ユニオンショップ制度というものが労働協約で定められており、労働者(管理職除く)は必ず労働組合に加入することが義務付けられています。
普通に仕事している分には、そもそも労働組合に興味ない方が多いので、せめてその企業の労働組合だけでも知っておいてもらえたら幸いです…(;´・ω・)
トヨタ労組さんやNTT労組さんも企業別ですね。
詳しく知りたい方はぜひこちらの記事をお読みください↓
②:合同労働組合
個人単位で加入できる労働組合で、企業別組合の無い企業や非正規雇用の方などが対象になります。
そもそも労働組合というのは、国が法律で定める労働三権における「団結権」によって自由に労働組合を立ち上げたり、加入することができるので、数は無数に存在するのでしょうね。
労働三権についてはこちら↓
労使交渉などはどうしても個人単位では難しいため、こういった組合に加入することで、その組合役員に会社との団体交渉に同行してもらい、一緒に交渉を行うこともできるようですね。
ただし、企業別労働組合と同様、組合費が発生するでしょうし、
交渉後に成功報酬が発生することもあるようです。
自由に加入することはできますが、至らぬ出費にならぬよう要確認が必要ですね。
第二層 産業別と地方連合会
”産業別労働組合”は、第1層の”企業別労働組合”の上部団体にあたるものです。
”合同労働組合”は、その規模から組織範囲を特定地域に限定し上部団体に加盟しないことが普通のようです。
※この点、詳しい方がいればコメント頂けると幸いです。
2024年3月23日追記:フォロワーの方に補足頂きました。
合同労組も地方連合会の地域ユニオンや産別の上部団体を持つようです。
合同労組を持つ産別は「JAM(ものづくり産業労働組合)」「自治労(全日本自治団体労働組合)」「情報労連(情報産業労働組合連合会)」「国公連合(国公関連労働組合連合会)」など
また、連合加盟の「全国ユニオン(全国コミュニティ・ユニオン連合会)」といった上部団体もあるようです。
情報頂きありがとうございました!
日本において加盟する際は、主に単組(その団体における単位組合)として加盟することになります。
また、産業別と同じ階層との認識ですが、主に産業別が加盟する形となるのが地方連合会となります。
①:産業別労働組合
産業ごとに組織される組合で、1層目の企業別組合が集まって組織されます。
企業別が主にその企業内での組合活動や経営層との労使交渉であるのに対し、
産業別は、その産業全体ならではの問題に対し、国(政治家を通じて)や地域(地連活動など)との交渉ごとであったり、その加盟単組同士での情報共有などを行います。
産別労組にもよりますが、上記で国に対して意見する関係上、特定政党を支持することを表明しているところも多いです。
たとえば日本一組合員の多い”UAゼンセン”さんや、トヨタ自動車労組さんも加盟する”自動車総連”は、「国民民主党」を支持政党としています。
また、産業別労組は上部団体ではありますが、必ずしも加盟する必要はありません。
組合員の組合費と同じく、加盟することで会費が発生しています。
ちなみに私の労組では、年間約1千万円が上部団体の会費として予算計上されています。
こちらの予算は年度初めの「定期大会」に伴う資料として、各組合員さんにも配られる予算書として記載されていると思います。
加盟することでメリットも十分ありますが、財政厳しい労組さんの場合は、いざとなれば脱退することも視野に入れなければなりません(;´・ω・)
②:地方連合会
47都道府県それぞれに、”連合北海道(日本労働組合総連合会 北海道連合会)”や”連合沖縄”のように存在するのが”地方連合会”となります。
こちらは第3階層で記述する”連合”の支部に当たる組織になりますね。
地方連合会は、その地域における産業別労働組合を中心に構成されているため、会長などの役職も各産別組織から選ばれているようです。
活動としては、連合の支部組織としての活動や、その地域に根差した活動や政策提言を行っているようです。
運営の経費は、たとえば連合北海道さんであれば、加盟する労働組合の組合員一人あたり150円の加盟費と、東京にある連合本部からの交付金で運営されているようですね。
第三層 ナショナルセンター
ナショナルセンター(全国中央組織)は、第二層における”産業別労働組合”が中心となって構成されており、日本における労働組合最大組織が「連合」(日本労働組合総連合会)となります。
連合の加盟組合員は約700万人で、47の産別組織と支部にあたる47の地方連合会が活動しています。
連合の役員も地方連合会と同様、各産別から選ばれているようですね。
活動としては、労働組合の最大組織として企業内の労使間だけでは解決できないようなことを、国や地方の法律や条令の改正、予算の確保・拡充等に向けた政治活動などを通じて取り組んでいるようです。
国際的な労働組合の組織にも加盟しており、その活動は海外にも及ぶようですね。
また、もっとも身近なのが春闘時期に「基本構想」として賃上げ要求%を決定することでしょうか。
「連合が何%の賃上げを要求した!」ということはニュースになりますね(; ・`д・´)
各労組における春闘要求の根拠として、連合の賃上げ%はよく参考にされます。
連合様に関しては以下もご参考にしてください↓
こちらも産別同様、加盟は自由です。
過去には「全銀連合」や「化学総連」などの大きな産別組織も脱退していますね。
また、こちらも産別と同じで支持政党があり「立憲民主党」と「国民民主党」を支持しているようです。
まとめ:自分の組織について考えてみよう!
今回の記事では、「日本における労働組合の3層構造」についてまとめさせて頂きました。
労働組合の組織について理解が深まれば、職場説明会などの場で意見することもでき、組合役員の方に「おー!」っと言わせることができるかも( *´艸`)
役員の方も、自分が所属する組織がどういった立ち位置なのか理解しておくことは重要ですね!
例えばアメリカとは労働組合の状況も違います↓
連合が大きく関わる春闘賃上げ要求についてはこちら↓
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