”IHI労組”春闘_過去10年間の賃上げ要求とその回答

春闘

2024年5月3日 更新

はがパパ
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こんにちは!はがパパです。

今回は”IHI労組”さんの春闘について振り返ってみましょう!

「IHI労組の過去10年間での春闘結果はどうだったんだろう?」

「そもそもIHI労組ってどんな組織だろう?」

今回の記事では、過去10年間にさかのぼり、

IHI労働組合さんの賃上げ要求額とその回答についてまとめました!

※当記事における春闘データはweb上に公開されている当時のニュースや連合発行の報告書に掲載されたものを参考にしています。万が一間違いがあった場合は、ご連絡頂けると幸いです。

1. IHI労働組合について

まず最初に、そもそもIHI労働組合とはどんな労組なのか、

組織規模や組織体制など確認していきましょう。

結成:不明

支部数:不明

所在地:不明

組合員数:5,446人(2024年4月時点)

平均年齢:39.0歳

上部団体:JBU 基幹労連(日本基幹産業労働組合連合会)

IHI労組さんは社外HPをもっていないようなので、詳細は不明でした。

株式会社IHIさんは、創業から170年以上、造船で培ってきた技術をもとに、「資源・エネルギー」「社会基盤」「産業システム・汎用機器」「航空・宇宙・防衛」と幅広く4つの分野で事業展開されている会社さんですね。

国内の事業所及び支社オフィスは全国に23拠点、主要工場は、福島・埼玉・東京・横浜・兵庫・広島と6拠点あるため、全国各地に組合員さんがいる労組さんと見受けられますね。

株式会社IHI
株式会社IHIのコーポレートサイトです。IHIは総合重工業グループとして、資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の4つの事業分野を中心に新たな価値を提供しています。

2. IHI労組の10年間 賃上げ要求額と回答について

それでは、ここからこれまでの春闘における背景や

賃上げ要求額と回答について確認していきましょう!

 2-1. 2014春闘「回復」

~当時の背景~

・円安(当時1ドル=105円)による業績回復や安倍政権の強い賃上げ要請があった

・リーマン・ショック前の08年春闘以来6年ぶりのベースアップ回答が相次いだ

・IHI株価:2014年1月終値 4,720円

労組:平均3,500円の賃金改善を要求(2014.2015各年度)

企業:平均1,000円の回答

リーマンショック以降、やっと回復してきた年になります。

この年、IHI労組含む基幹労連に加盟する鉄鋼、造船重機大手メーカーの労組は、2014年2015年の2年間分の賃金改善を求めたようですね

調べると、基幹労連さんの賃上げ交渉は2年に1度交渉する隔年春闘を採用しているとのこと。

そういった春闘交渉もありなんですね、勉強になります(; ・`д・´)

各年3,500円の賃金改善を求めたのは、基幹労連加盟の14労組のうち、IHI労組さんやJFEスチール労組さんなど12労組でした。

一時金については、5.4ヵ月分の要求に対し、5.11ヵ月分となったようです。

 2-2. 2015春闘「デフレ脱却」

~当時の背景~

・政府の積極的な賃上げ要求が継続

・連合がベースアップ2%以上を方針とした

・IHI株価:2015年1月終値 6,200円

労組:2014年春闘交渉で妥結済み

企業:平均1,000円の回答

この年は、昨年妥結済みのため、労使交渉は行われませんでした。

ただ、上位団体である基幹労連の定期大会では、この2年サイクルでの春闘交渉のあり方について以下のような議論がされております。

  • 2006年から2年サイクルで要求しており、1年目を「基本年度」として賃金改善を求め、2年目を「個別年度」として企業・業種間の格差是正などの交渉を重点的に行ってきた。
  • 2年間で2,000円の賃金改善を確保したが、2年分を先行して決定した結果、他産別との差が生じていることは否めない。
  • 14年15年の結果より、単年度要求にして欲しいという要望も多く出された。

結局のところ、2年サイクル運動の意義と継続について理解を求めて閉会したようです。

あくまで役員の労力という意味では、2年サイクルの春闘の方が、たぶん楽っちゃ楽ですけどね( *´艸`)

 2-3. 2016春闘「底上げ」

~当時の背景~

・年初来の円高(121円/ドル)となる。

・IHI株価:2016年1月終値 2,540円

労組:平均4,000円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均1,500円の回答

この年、IHI労組さんはおそらく10年振りに単年度で賃金改善を求めました。

基幹労連さん内での動きは以下の通りです。

2年サイクル継続:新日鐵住金、JFEスチール、神戸製鋼所、日新製鋼、三菱マテリアルの計5労組

単年度要求:三菱重工、川崎重工、IHI、住友重機、三井造船、キャタピラージャパン、日立造船の造船重機大手の計7労組

基幹連合さんの方針と分かれた形になりますが、業種別で業績の違いもあり、最終的な求め方は各業種別部会の判断として、要求や交渉のやり方に柔軟性を持たせたようです。

 2-4. 2017春闘「慎重」

~当時の背景~

・継続して政府が産業界に賃金改善の取り組みを促す

・円高が昨年より9円進み112円/ドルとなった

IHI株価:2017年1月終値 3,050円

労組:平均4,000円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均1,000円の回答(別途課題解決に向けた原資投入)

昨年に引き続き4,000円の賃金改善を求めましたが、昨年を500円下回る1,000円の賃金改善で決着したようです(;´・ω・)

また、「別途、課題解決に向けた原資投入」を確約させましたが、その多くが働き方改革に資する原資になるかと思われます。

一時金も、昨年を下回る4.8ヵ月分で妥結されました。

 2-5. 2018春闘「3%以上」

~当時の背景~

・政府が経済界に「3%以上」の賃上げを求める

・円高がさらに3円進み109円/ドルとなった

IHI株価:2018年1月終値 3,650円

労組:平均3,500円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均1,500円の回答

政府の追い風もあり、昨春闘を500円上回る結果となりました。

一時金は5.0カ月分+協力金3万円と、昨年を上回りました。

 2-6. 2019春闘「働く人の底上げ」

~当時の背景~

・連合発表の平均賃上げ率2.13%

IHI株価:2019年1月終値 3,435円

労組:平均3,500円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均1,500円の回答

昨年に引き続き、3,500円の賃金改善を要求し、1,500円の回答となりました。

一時金は、年間5.6ヵ月+協力金2万円と、昨年を上回る結果となりました。

 2-7. 2020春闘「先行き不透明」

~当時の背景~

・コロナ禍の始まり

IHI株価:2020年1月終値 2,629円

労組:平均3,000円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均1,000円の回答

基幹労連加盟の鉄鋼総合3社が賃金改善を見送るなど、厳しい状況を迫られている年になります。

減益見通しの会社も多く、IHIさんも船舶やエネルギーなどが厳しい事業運営を余儀なくされているようです。

その結果、賃金改善額は昨年を500円下回る結果となりました。

一時金は、年間5.1ヵ月+協力金2万円と、昨年とほぼ横ばいとなりました。

 2-8. 2021春闘「コロナ禍」

~当時の背景~

・コロナ禍中

IHI株価:2021年1月終値 1,825円

労組:賃金改善要求見送り

企業:定昇のみ実施

コロナ禍の影響で、各地でロックダウンが行われている年ですね(;´・ω・)

コロナ禍による業績悪化で、IHI労組はベア要求を10年ぶりに断念することとなりました。

一時金も、年間4.15ヵ月分と、昨年を大きく下回る結果となりました。

 2-9. 2022春闘「半導体不足」

~当時の背景~

・コロナ禍中

・ウクライナへのロシア進行開始

・円安に進み115円/ドル

IHI株価:2022年1月終値 2,288円

労組:平均3,500円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均1,500円の回答

この年は、ウクライナ進行も始まり、半導体の供給不足も目立った年ですね。

昨年は要求見送りとなりましたが、この年は2019年以来の3,500円を要求しました。

結果、以前の水準と同じ1,500円の賃金改善の回答を得ることができました。

一時金は、年間4.8ヵ月分と、昨年より若干上回ることができました。

 2-10. 2023春闘「5%」

~当時の背景~

・物価高が騒がれ始め、政府よりインフレ率を超える賃上げの要請

・連合が5%程度の賃上げ実現を要請

・昨年より21円円安に進み136円/ドル

IHI株価:2023年1月終値 3,930円

労組:平均14,000円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均14,000円の回答

この年、基幹労連加盟単組のうち、約半数の7単組が14,000円の賃金改善を求め、6単組が満額回答を得ることができたようです。

過去に例を見ない賃金改善が始まった年ですね。(; ・`д・´)

ただ、2年サイクルでの賃金改善を継続してきた、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼の鉄鋼大手は、すでに2,000円の賃金改善で決着していたため、この波に乗ることはできませんでした(;´・ω・)

 2-11. 2024春闘「昨年を上回る賃上げ」

~当時の背景~

・政府より昨年を上回る賃上げの要請

・連合が5%以上の賃上げ実現を要請

・昨年より10円円安に進み146円/ドル

IHI株価:2024年1月終値 2,845円

労組:平均18,000円の賃金改善を要求(単年度)

企業:平均18,000円の回答

IHI労組はこの年、昨年を4,000円も上回る18,000円の賃金改善を要求し、満額回答を得ることができました。

また基幹労連もこの年、国内外の情勢の先行きを見通すことが困難とし、これまで続けてきた2年サイクルでの賃金改善要求をやめ、単年度での要求としています。

昨年のこともありますし、異例中の異例な春闘が続きますからね(;´・ω・)

3. まとめ

今回の記事では、IHI労働組合さんに注目してこれまでの10年間を振り返りました。

来年度の春闘もこの勢いを維持できるのか、注目が集まりますね!

最後までお読み頂きありがとうございました!

他にも過去10年間の春闘をまとめています。各労組さん特色があり、比較すると勉強になりますよ!ぜひお読みください!

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