会社に入ったら、労働組合に加入させられちゃったよ!
組合員とかよくわからないから抜けたいんだけど・・
こんな疑問にお答えします。
✅本記事の内容
- 労働組合はなんで必要なの?
- 具体的な労働組合のメリット・デメリットは?
入社したら、いきなり労働組合に加入させた!
強制的に保険にも入らされた!
って思った方も多いはずです(;´・ω・)
でもそれは、あなたの会社生活を守るためのものだから、決して悪いものではありませんよ♪
本記事では、組合役員だからこそわかる、労働組合に入る具体的なメリットやデメリットについて紹介します。
✅本記事の信頼性
当記事は、新人組合員の方にはぜひ読んで頂きたいですね!
目次
労働組合とは?
まず、労働組合とはいったい何でしょうか?
簡単に説明すると、
会社で働く皆さんが、より良い環境で働けるよう、様々な意見や要望を整理しながら、それらを実現するために活動している。
それが、労働組合です。
労働組合はなんで必要なの?
ん~でもそれって自分達で会社に言えばいいことでは?
たしかに、自分達で言って、より良い方向に進めばベストです!
でも、なかなか簡単には動かないのも会社なので・・
たとえば、もっとお給料が欲しいな!という意見であったり、
もっと働きやすい勤務体系にならないかな!
もっと休みが欲しいな!とか。
働いていると、そういった要望がどんどん出てきますが、それを個人的に会社に言ったところで、対個人では相手にされません(;´・ω・)
しかし、労働組合という組織は会社と対等であるため、そういった組合員の意見を吸い上げて、皆を代表して会社と交渉することができるのです(; ・`д・´)
職場での問題点や労働条件の向上などを会社と交渉するためには労働組合が必要です。
労働組合に加入すれば、自分の声が会社に届くようになり、その声を労働条約などに反映させることも可能になりますね。
労働組合ってどんなことをしているの?
それで、労働組合って具体的にはどんなことしてるの?
先ほど言った労働環境の改善以外にも、様々なことをおこなっていますよ!
私の所属している労働組合を例に上げると、9月が年度初めとなり活動がスタートします!
活動としては、対会社と対組合員に大きく分けられますね!
1年を通して以下のような活動を主に行っています!
◇9-10月:運動方針説明・定期大会
・その年度、労働組合がどんな方針を掲げてどんな活動を行っていくのか、組合員に対して説明し決定します。
◇11月-3月:春闘要求案作成・春闘交渉
・会社に対して、賃上げ要求をするかしないか、するならどれぐらいの金額をどんな根拠で要求するか。また、諸要求として手当や休日、福利厚生など組合員から意見集約し、それをもとに春闘要求案を作成し、会社と交渉していきます。
◇その他:イベント開催・各種協議会・職場の問題解決
・組合員同士で交流を深められるイベントやセミナーの開催、会社経営や安全に対して意見交換する労使協議会や安全衛生協議会への出席します。
・組合員の声を聴いて、各職場で問題があれば、それを解決するために動きます。
*労使というのは、労働者(私たち)と使用者(会社)ということ
ざっと上げただけでも、たくさんの活動を行っていますね(; ・`д・´)
賃上げに関わる春闘については、以下の記事でも解説していますので、是非ご覧ください!
労働組合は誰が運営しているの?
労働組合は、組合員からの投票で選ばれた役員が運営しています。
また、私の組合を例にすると、役員も大きく本部と支部に分かれます。
本部に所属するものは専従という組合を本業として、労働組合から給料をもらっている方たちです。
支部は主に非専従という本業はあくまで仕事で、仕事の合間で組合活動を行っている方たちです。
選挙で選ばれた人が運営するというのは、まさに政治家と一緒ですね(; ・`д・´)
労働組合を抜けることはできないの?
労働組合が組織されている会社には、労働協約というものがあると思います。
その中に、「社員は組合員でなければならない」というような条文があれば、それはユニオン・ショップ協定というものが労使で約束事として締結されていることになりますね。
逆に言えば、労働組合に加入しない社員を雇用していならない…といったものです。
厚生労働省の調査によると、労働協約を締結している企業のうち約56%がユニオン・ショップ協定を結んでいるようです。(H27年時点)
ただし、管理職などの一部の従業員を除くものになりますので、管理職となったら自動的に労働組合から脱退となります。
組合員になるメリット
結局のところ、組合員になるメリットってどうなの?
組合役員だからってわけではないですが、メリットは非常に多いと思いますよ!
ここからは、組合員として労働組合に加入することに対するメリットになります。
もちろんステマではなく、長年の経験から思いつく限り記載してみました。
①:権利が得られる
先でありました通り、組合員は労働協約で規定された権利を得ることができます。
たとえば、
「組合活動による利益を公平に受けられる」
「労働組合のイベントに参加できる」
「組合役員に対し、報告を求め自由に発言することができる」
「選挙権を持ち、役員にも立候補できる」など、
どちらかというと、役員側が常に意識して活動しなくちゃいけない事項ですね。
こいつダメだと思ったら、自分が役員に立候補するのもOK( *´艸`)
労働協約については以下の記事で解説しています。
②:雇用が安定する
仕事で大きなミスして、辞めさせられそうになったらどうしよう・・・
よほど悪質でなければ、ミスに対して解雇はないと思いますよ
ただ、
それが会社として行き過ぎた判断だったとしたら、
あなたは会社に対してどう動きますか?
これは私が組合役員になって一番感じたことですが、組合員に対して労働組合というのは、
よっぽどのことがない限り必ず味方になります。
いわば弁護士の立ち位置です!
労働協約にもよりますが、解雇が発生するほどの問題が生じた場合は、労使間で賞罰委員会というものが開催されます。
ここで話し合いの場が持たれ、処遇を決定するのです。
私の会社の場合、諭旨解雇の下が出勤停止5日となりますので、ここでの判断はとても重要なものになります。
また、現在の職場が嫌で辞めたくなった時、やめる前にはまず組合に相談してください。
個人的には難しくても、会社と対等に話せる組合経由で話をつけることも可能です。
③:賃金が上がる
給料ってどのタイミングで上がるの?
毎年3月に春闘というものが開催され、
基本的にはこのタイミングで次年度の昇給が決まりますね!
先の話にあった通り、3月には春闘というものがあります。
この場では、毎年必ず労使間で賃上げや一時金(ボーナス)ついて交渉されます。
年齢や人事評価に基づいた定期昇給や、ベースアップと呼ばれる実質の賃上げ、一時金(ボーナス)の支給額決定などです。
例えば同業他社に比べ賃金が低かったりすると人材確保に影響がでますし、消費者物価指数が上昇すると家計を圧迫しますので、様々な理由から賃上げを求めます。
ただ、賃上げしたら会社が潰れた!では話にならないので、必ず会社体力も考慮しています(; ・`д・´)
春闘賃上げについては、以下の記事で詳しく解説していますので、是非ご覧ください!
④:人事制度が改善される
これは非常に幅広いですが、最近ですと労働時間短縮が求められる世の中となり、厚労省から年5日の年休取得が義務化されました。
これに対し、新入社員というのは、与えられる年休の日数が限られているため、毎年5日強制されると万が一に備えて年休を積み立てることが難しくなりました。
これに対し、組合員さんからの意見より、初年度からの年休付与日数の増加や、ライフサポート休暇の導入など、より使いやすい制度に改善されました。
こういった、その時代に応じて必要となる改善を提案していくことも、組合として重要なこととなります(; ・`д・´)
⑤:会社の経営状況がわかる
普通に仕事してるだけじゃ、あまり会社の経営状況は目にしないよね?
組合からも組合員へ会社の経営状況を説明する場がありますよ!
労使間では年間を通して様々な話し合いの場が設けられますが、その際に議題として必ず上がるのが会社の経営状況です。
組合は話し合いの結果を必ずニュースとして組合員向けにわかりやすくフィードバックしておりますので、難しい資料を見なくてもニュースを見れば状況がわかります。
また、先ほどの春闘における賃上げ時にも、会社体力を確認する流れで、必ず会社の経営状況にも触れますので、その際に確認することもできます。
⑥:安全に仕事ができる
私の組合では、毎月「安全衛生委員会」というものが開催され、その月に起きた災害や安全に関することについて、労使で議論します。
また、災害が発生した場所に出向き、組合目線で現場検証を行い、会社に対して意見提言しています。
⑦:労働環境が改善される
これも非常に幅広いですが、たとえば「喫煙所はあるのに休憩所がない!」といった意見があったときは、組合として休憩場の設置を要求したり、「会社から提供されるお弁当が美味しくない」といった意見から、会社に対して弁当会社を変えて!といった提言もおこなっています。
本当に多岐にわたりますね(; ・`д・´)
⑧:イベントやセミナーに参加できる
私の労働組合では、組合員の皆さんが興味のありそうなテーマに沿って、毎年複数のセミナーを開催しています。
「ふるさと納税セミナー」
「キャリアアップセミナー」
「資産運用」など
通常は有料となる規模のセミナーを無料で受けることができます。
⑨:保険に安く入れる
私の労働組合では、「団体生命共済」というものに加入しております。
組合員が全員最低口数加入することが条件ですが、一緒に入ることで掛金が割安になります。
これまで親の保険に入っていた方にとっては、最初の個人的な保険として打って付けですね( *´艸`)
⑩:味方ができる
先でも少し触れましたが、会社との間で何か問題が生じたとき、組合は弁護士的な立ち位置であなたの味方になります。
ただもちろん、あなたが誠実に対応してくれれば、こちらもそれ相応のことを行いますが、
不誠実で噓をついた場合、あなたのことを信頼できずフォローしきれないかもしれません(;´・ω・)
組合といえど、人と人ですので、信頼関係は重要です。
組合員になるデメリット
ここまで多くのメリットを上げてきましたが、もちろんデメリットもあります。
加入する際に、あなたの職場の役員から説明があるかと思いますが、理解できるまでよく確認しましょう。
①:義務が定められる
権利があると同時に、組合員になるあなたには義務が発生します。
たとえば、労働組合には組合規約というものが存在しますので、そこに記載されていることを必ず守ること。
そんなに難しいことは記載されていませんし、わからなければ役員の方に聞けば親切に教えてくれると思います。
また、労働組合では決め事がよくあります。
一方的に決めることはなく、必ず組合員への説明があると思いますが、決まった際には従う必要があります。
②:組合費が徴収される
ここが一番気になることかもしれません。
労働組合は組合員からの組合費で成り立っておりますので、毎月給料から組合費が天引きされているかと思います。
私の労働組合では、月平均5千円を頂いています。
また、闘争資金といって、万が一ストライキを起こして、会社から給料をもらえない月が発生した場合、給料を補填するために積み立てておくものもあります。
私の労働組合では、毎月約千円を頂いています。
ただ、今の日本でストライキをする組合はあまり聞かないので、何も使わなければ、積み立てた分は脱退する際に返金となります。
③:イベント等への誘いがある
こればっかりはしょうがない(´;ω;`)
労働組合は皆さんの組合費で運営されておりますので、少しでもフィードバックできるよう、たくさん考え、様々なイベントなどを計画しています。
ただ、誰も参加してくれなかったらとても悲しい(´;ω;`)
正直私も人付き合いが苦手だったので、役員になる前はそんなに積極的には参加しませんでした・・・今では逆の立場なんですけどね(; ・`д・´)
ただ、どうしても嫌ならやんわり断ってくれれば大丈夫です。
寂しいけどね‥
まとめ:労働組合は大切!
今回は労働組合のメリット・デメリットについて解説しました。
基本的には説明した通り、「ユニオン・ショップ協定」というものを締結している労組がほとんどですので、辞めることはないと思いますが、
せっかく組合費を払っているわけですから、しっかり意見して、うまく使って頂きたいです( *´艸`)
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