2025春闘での日産労組の賃上げ要求と回答はどうなる?
9000人リストラが発表されたけど、影響はどうだろう?
こんな疑問にお答えします。
✅本記事の内容
- 2025春闘 ”最新情報”|日産自動車労働組合
- 2025春闘 賃上げ要求と回答まとめ
- 過去10年間における春闘賃上げの推移と背景
- 日産自動車労働組合について
✅本記事の信頼性
- 当記事における春闘情報は以下を参考にしております。出典:連合2024春闘、連合2025春闘、NHKニュース
- 日産自動車労働組合様における情報は、公式HPより拝見させていただきました。出典:日産自動車労働組合HP
目次
2025春闘 ”最新情報”|日産自動車労働組合
最新速報:2025年1月9日付
自動車メーカーなどの労働組合でつくる「自動車総連」は9日中央委員会を開き、2025春闘でのベースアップ相当分の賃上げ要求額の目安を月額1万2000円とする方針に決めました。具体的な金額を上げるのは18年以来7年ぶりとのこと。
自動車総連では2019年の春闘以降、中小の加盟労組が大手より高い要求を掲げやすくするため、賃上げの金額目標の提示を見送ってきましたが、実態としては大手労組を超えないよう配慮する「呪縛」があったようです(; ・`д・´)
金子 会長
25年春闘では、総連としてベア要求の目安を明示することで、中小労組が大手に気兼ねなく物価上昇分などに見合う要求ができるようにする。これは一つの変化点だ
良かれと思ってやった策が裏目に出たようですね(;´・ω・)
トヨタさんもしばらく要求額を非公開にしておりますので、もしかしたら今春闘では具体的な要求額を掲げる?かもしれませんね。
2024年12月24日付
ホンダと日産は、経営統合の可能性について今後6カ月間にわたり協議を行うと正式に合意しました。三菱自動車も協議に参加し、統合が実現すれば世界第3位の自動車メーカーが誕生します。
三部敏宏 社長
ホンダと日産の経営統合により、四輪事業だけでなく2輪や航空機事業も融合し、競争力強化と顧客接点を実現。2030年の競争力を見据え、日産のターンアラウンドが前提条件であり、自立した2社がゴール達成の鍵である。(AI約)
内田誠 社長
事業環境の変化に対応し、経営統合協議を開始。トップクラスの規模を目指し、日産のターンアラウンドを断念せず、2026年に350万台でも利益を出せる会社に再生することが責務です。
日産の「2026年に350万台でも利益を出せる会社に再生することが責務」というのがリストラに繋がるというのが、日産労組にとってはやはり不安要素ですね・・
2024年12月19日付
日産自動車グループの労働組合で構成される「日産労連」は、2025年春闘でのベア相当分として「24年を下回らない水準で、月額1万2千円以上を目指す」との要求方針を固めました。来年1月の中央委員会で正式決定する方針です。
トヨタさんとは違い、自動車総連にならって1万2000円以上を求めるとしましたね。リストラ問題に揺れて先行き不安な方もいるので、具体的に金額を提示する選択をされたのかもしれませんね。
2024年12月11日付
自動車メーカーなどの労働組合でつくる「自動車総連」は、来春闘でのベースアップ相当分の賃上げ要求について、月額1万2000円を水準に具体的な金額を加盟する労働組合がそれぞれ決めるという方針案を示しました。
自動車総連では2019年の春闘以降、要求方針に具体的な金額を掲げてきませんでしたが、ことしの春闘で要求額が1万円未満の組合が3割に上ったことなどから、来年は中小組合の底上げと、働くすべての年代の実質賃金の低下を防ぐため、具体的な金額を水準として示すことにしました。
自動車総連の金子会長は会見で、
物価上昇が顕著に出てから今年は3年目で、極めて重要な年になる。その認識を持って取り組んでいく!
と述べています。
自動車総連さんは毎年具体的な要求水準の明言は避けていましたが、ついに言及しましたね。業績の差が顕著ですが、人材獲得競争もあるので頑張ってもらいたいところです!
2024年12月3日付
電機、鉄鋼、自動車など5つの産業別労働組合で構成される金属労協(JMC-全日本金属産業労働組合協議会)は3日、2025春闘で月額1万2000円以上のベースアップを要求することを決定しました。
これは1998年以降で最も高い水準であり、慢性的な人手不足に対応するとしています。
金属労協の金子晃浩議長は会見で、
日本経済の好循環や働く人に安心感を提供できるか否かの分岐点だと認識している。先頭に立ってしっかり引っ張っていきたい
と述べています。
自動車総連さんは毎年具体的な要求水準の明言は避けていますので、この金額が一つの指標になりますね。
2024年11月30日付
現時点で、日産に関してネットニュースに上がっている情報をまとめました。
- グローバルで生産能力20%減
- 三菱自動車の株34%のうち10%を売却
- 米国では数百人が12月末に早期退職、タイでも従業員約千人を対象に、人員削減や配置転換する方針
人も設備も大幅縮小・・・事業継続のためとはいえ、辛いものがありますね。日本国内におけるリストラ対象はどの程度なのでしょうか、年越しのタイミングでこれはキツイ・・
2024年11月28日付
連合は第94回中央委員会において、来春闘での賃上げを大手を含む全体では定期昇給分を含めて5%以上、中小企業の労働組合では大手との格差是正を図るとともに、賃金実態が把握できない場合は、+1%の6%以上を求める方針を正式に決めました。
この数年、確実に賃上げが続いてきたことは日本経済の低空飛行から抜け出すチャンスだ。一方、その動きが一部の人たちだけのものであってはならない。全員そろって豊かにならなければ国は繁栄しないと胸に刻んで進める必要がある。
基本的には10月18日の中央執行委員会から方針が変わることはありませんが、これで各労組春闘に向けてスタートを切ることになりますね!ガンバロウ!
2024年11月26日付
石破総理大臣は労働団体や経済界の代表と会談し、来年春の春闘で大幅な賃上げを求めました。
また、政労使会議では、賃上げが中小企業や地方にも行き渡ることの重要性を強調しました。
「来年の春季労使交渉におきましては、労働者の賃金水準を引き上げるベースアップを念頭に、33年ぶりの高水準の賃上げとなった今年の勢いで大幅な賃上げのご協力をお願いします」
総理大臣が変わってどうなるかと思いましたが、賃上げ方針自体は政府としても継続して求めていくようですね!
2024年11月7日付
日産自動車が全従業員の7%にあたる9000人の人員削減を行うと発表しました。
背景にあるのは、北米・中国での不振。工場閉鎖は「日本を含め、聖域なく検討する」としています。
日産自動車の内田社長は「このような厳しい状況を迎えていることは私自身、痛恨の極みです。世界13万人以上の従業員と、その家族の生活を預かる身として責任を痛感します」と話しています。
日産労組の組合員は約2万人、平均年齢も39.7歳とまだ若いため、日産労組さんには頑張ってもらいたいです!
2024年10月18日付
2025年10月18日、連合は第13回中央執行委員会において、2025春闘における基本構想を公表しました!
具体的な賃上げの目安は、全体の賃上げ方針(ベースアップ+定昇)を2024年度に引き続き「5%以上」とすることとしています。
賃上げ目標は連合の方針がベースとなってきますので、昨年同様に5%以上を目標とするのか、今後の自動車総連や日産労組さんからの続報を待ちましょう!
2025春闘 賃上げ要求と回答まとめ
日産労組の春闘要求については、2025年2月中旬ごろ公表が予定されておりますので、今のうちに昨年2024春闘を確認しておきましょう!👇
春闘における各企業の状況や知っておきたい知識など関する記事を以下のページにまとめていますので、良かったらご覧ください!👇
①春闘要求について(2024)
2024年2月7日、日産自動車労働組合は、平均19,000円(ベア+定昇)の賃上げを求めました。
この金額は、現在の賃金体系が導入された2005年以降で、最も高い要求額となっています。
要求書には「実質賃金の低下を防ぎ、組合員の生活を守るための適切な配分」を求めることも要求書に盛り込まれているようですね!
近年の賃上げはどうしても人材確保の観点から、若い世代の配分を多くする傾向があるため、「適切な配分」をしっかり明記したのでしょうね!
また、自動車総連内では、「トヨタ自動車労働組合」や「本田技研労働組合」が早くて2月14日に要求方針を決定しているため、どこよりも早い要求となりました!
トヨタ自動車やホンダの2024春闘については以下の記事にまとめております!↓
会社業績としては、2024年3月期連結決算において、営業利益が50.8%増の5,687億円と過去最高を記録したことも、会社体力は十分であると判断されたようですね!
円安が追い風となっていたようです!日産はEVでの中国市場が大きいだけに、このまま成長軌道に乗せられるかが焦点ですね!
春闘での賃上げの求め方とその根拠について詳しく解説!では、春闘における賃金要求額はどうやって決まるかについて解説していますので、良かったらお読みください👇
②世間動向について(2024)
2023年12月1日、連合は賃上げ分3%以上、定昇相当分を含め5%以上の賃上げを目安として要求方針を固めています。
2023春闘においては「5%程度」の賃上げ目標を掲げましたが、この年は「5%以上」に改め、昨年を上回るスタンスを明確にしていますね。
また、政府としても、昨年を上回る賃上げを企業に要請しておりました。
ここまで賃上げを求めやすいムードは前例ないですね!
《2025春闘》”連合” 2年連続5%以上達成なるか?賃上げ目標と結果をチェック!では2025年春闘における連合についてまとめておりますので読んでみてください👇
③会社回答について(2024)
2024年3月13日、集中回答日に会社回答が発表され、満額回答となる18,000円(ベア+定昇等)と回答がありました。
賃上げ率は5.0%になります。
2023春闘に続く4年連続の満額回答であり、改善額も過去最高になりました。
また、一時金についても組合要求である年間5.8ヵ月分に対し満額回答となったようです。
定昇と賃上げの内訳は、非公開のようです。
要求書に記載した通り、「適切な配分」となっていることを願うばかりです!
自動車メーカー全体ではどうだった?(2024)
2024春闘では各自動車メーカーがこぞって賃上げを達成していますが、日産自動車の賃上げは全体で見るとどのような結果だったのでしょうか?
大手自動車メーカー11社|徹底比較ランキング!一番賃上げしたのはどの自動車メーカー?では、国内自動車メーカー11社の賃上げ額をランキング形式で紹介していますので、良かったらお読みください!👇
過去10年間における春闘賃上げの推移と背景
ここまで2025春闘についてお伝えしてきましたが、これまでの過去10年間における日産自動車労働組合の要求額と回答は以下の通りです。
年度 | 要求額(平均) | 回答(平均) |
2014 | 9,500円 | 9,500円 |
2015 | 12,000円 | 11,000円 |
2016 | 9,000円 | 9,000円 |
2017 | 9,000円 | 7,500円 |
2018 | 9,000円 | 満額回答 |
2019 | 9,000円 (内賃上げ3,000円) | 満額回答 |
2020 | 9,000円 (内賃上げ3,000円) | 7,000円 |
2021 | 非公開 | 満額回答 |
2022 | 8,000円 | 満額回答 |
2023 | 12,000円 | 満額回答 |
2024 | 18,000円 | 満額回答 |
2025 | ??? | ??? |
2008年に起きたリーマンショック以降、2014年より賃金改善が多くの労組で再開されてきました!
2024は4年連続の満額回答となりましたね!2025も継続することで、この賃上げを当たり前という風土にしたいですね!
日産自動車労働組合について
日産自動車労働組合さんについて簡単にご紹介しますね!
~日産自動車労働組合について~
- 結成:1953年 日産自動車労働組合(日産労組)
- 支部数:8支部(横浜、栃木、いわき、九州など)
- 所在地:神奈川県横浜市
- 組合員数:20,075名
- 平均年齢:39.7歳
- 平均勤続:14.4年
- 上部団体:日産労連、自動車総連、連合等
~特記~
- 基本理念は「企業の発展の源は人である」
- 団体交渉が年2回あり、「春の取り組み」「秋の取り組み」と2回に内容を分けている。
団体交渉が「春の取り組み」と「秋の取り組み」という名称で2回に分かれているようです。
春の取り組み:賃上げ、年間一時金、所定内労働時間の短縮 等
秋の取り組み:労働諸条件の改善
団体交渉が2回に分かれていれば、一つ一つの要求内容に避けられる時間も多くなるので、非常に良い方法だと思います!
(ただし、組合役員の方は大変ですが・・・)
まとめ:5年連続の満額回答を期待!!
今回の記事では、日産自動車労働組合さんの2025春闘結果等についてご紹介いたしました。
あらためて、2025春闘における要求額と回答は以下の通りです。
労組:???の賃上げ要求
企業:???(???%)の回答
最後までお読み頂きありがとうございました!
コメント
9000人のリストラ組合としてどう取り組む考えですか?
山田さん、コメントありがとうございます。
日産社員の方でしょうか?残念ながら、私は日産労組のものではないためお答えできません。
世界を対象とした9000人とのことなので、まずは日本における対象範囲についての確認が必要と思います。
またリストラはいわゆる整理解雇であり、事業継続における最終手段です。
有効とする4要素(必要性、回避措置の実施、選定の合理性、手続きの妥当性)の妥当性が問われますので、今後労使間の協議が続くと考えています。