今年のホンダ労組の春闘要求と回答ってどうなってるんだろう?
これまでの春闘結果も知りたいな!
こんな疑問にお答えします。
✅本記事の内容
- 今年のホンダ労組(本田技研労働組合)の春闘要求とその回答結果
- 過去10年間における春闘賃上げの推移と背景
- そもそもホンダ労組ってどんな組織だろう?
✅本記事の信頼性
- 当記事における春闘情報は連合発行の春闘調査結果を参考にしております。出典:連合2024春闘、連合2025春闘
- 本田技研労働組合様における情報は、公式HPより拝見させていただきました。出典:本田技研労働組合HP
目次
本田技研労働組合について
ホンダ労組ってどんな組織なのかな?
組織規模や組織体制について確認してみましょう!
~本田技研労働組合について~
- 結成:1953年 埼玉製作所 白子工場にて約1,300名にて結成
- 支部数:9支部
- 所在地:東京都文京区 本田労働会館
- 組織役員:支部長・書記長・書記次長は専従、執行委員・職場委員は非専従
- 組合員数:約3万8千人(ユニオンショップ制)
- 上部団体:全本田労連(48組合・約6万7千名)、自動車総連、連合等
- 組織内議員:6名(内2名が参議院議員で国民民主党所属)
~特記~
- 本田技研労働組合独自の組合員向け専用サイトがあり、本部からの最新情報やイベント情報が得られる。
- 本田労働会館は文京区の住宅街に位置し、建物はトヨタさんのカバハウスと比べるとだいぶ味がある…
- 労働組合のエンブレムがカッコいい!…(個人的な意見(; ・`д・´)
- 本田技研労組さんは主に「四輪・二輪・汎用の完成品製造」の労組
- その他に「車体・各部品製造」を行う各社企業より23労組、販売を担う企業より14労組、物流より3労組、サービス・教習・レースより7労組の計48労組からなる「全本田労連(全国本田労働組合連合会)」という上部団体が存在する。
支部3役が専従なんですね!
支部あたりの組合員数が多いので、納得ですね!
ホンダ労組の10年間 賃上げ要求額と回答について
それではここから、これまでの春闘における背景や賃上げ要求額と回答について確認していきましょう!
2014春闘「回復」
~当時の背景~
- 円安(当時1ドル=105円)による業績回復や安倍政権の強い賃上げ要請があった
- リーマン・ショック前の08年春闘以来6年ぶりのベースアップ回答が相次いだ
- トヨタ労組:ベア平均4,000円要求、回答2,700円
- ホンダ株価:2014年1月終値 1,297.6円
労組:平均3,500円のベースアップを要求
企業:平均2,200円の回答
リーマンショック以降、やっと回復してきた年になります。
満額回答ではありませんでしたが、賃上げを勝ち取りました。
一時金については満額回答を得たようです。
2015春闘「デフレ脱却」
~当時の背景~
- 政府の積極的な賃上げ要求が継続
- 連合がベースアップ2%以上を方針とした
- トヨタ労組:ベア平均6,000円要求、回答4,000円
- ホンダ株価:2015年1月終値 1,193.6円
労組:平均6,000円のベースアップを要求
企業:平均3,400円の回答
ベアは要求の6,000円には及ばなかったものの、昨年を上回る回答を勝ち取りました。
この年は自動車総連としては全ての組合で6,000円以上の賃金改善を要求したようですね!
2016春闘「底上げ・底支え」
~当時の背景~
- 年初来の円高(121円/ドル)となる。
- トヨタ労組:ベア平均3,000円要求、回答1,500円
- ホンダ株価:2016年1月終値 1,113.6円
労組:平均3,000円のベースアップを要求
企業:平均1,100円の回答
昨年よりも改善額は下がってしまいました。
自動車産業全体での底上げを理由に各社賃上げを求めましたが、中長期的な競争力低下への懸念、足もとの業績や今後の見通しの不透明さを理由に厳しい交渉となったようです(;´・ω・)
2017春闘「慎重」
~当時の背景~
- 継続して政府が産業界に賃金改善の取り組みを促す
- 円高が昨年より9円進み112円/ドルとなった
- トヨタ労組:ベア平均3,000円要求、回答2,400円
- ホンダ株価:2017年1月終値 1,128.9円
労組:平均3,000円のベースアップを要求
企業:平均1,600円の回答
昨年に引き続き、先行き不透明な内外の経済状況、見通しにくい経営環境が影響し慎重になっている年になります。
結果としては、昨年の回答額を500円上回りました。
一時金については「223万2千円」で満額回答だったようです。
2018春闘「3%以上」
~当時の背景~
- 政府が経済界に「3%以上」の賃上げを求める
- 円高がさらに3円進み109円/ドルとなった
- トヨタ労組:ベア平均3,000円要求、回答11,700円(ベア定昇等含む)
- ホンダ株価:2018年1月終値 1,275.3円
労組:平均3,000円のベースアップを要求
企業:平均1,700円の回答
政府の追い風もあり、昨春闘を100円だけ超えた回答となりました。
ベア実施は5年連続になります。
年間一時金は6.2か月分とし、組合の要求に満額回答だったようです。
2019春闘「働く人の底上げ」
~当時の背景~
- 連合発表の平均賃上げ率2.13%
- トヨタ労組:平均12,000円要求(ベ定等)、回答10,700円
- ホンダ株価:2019年1月終値 1,082.9円
労組:平均3,000円のベースアップを要求
企業:平均1,400円の回答
昨年は1,700円でしたので、300円下回る結果となりました。
19年3月期の連結決算は純利益、営業利益とも減益見通しとなっており、業績の悪化を織り込む格好となったようです。
2020春闘「チャレンジ精神」
~当時の背景~
- コロナ禍の始まり
- トヨタ労組:平均11,000円要求(ベ定等)、回答8,600円(ベアはゼロ)
- ホンダ株価:2020年1月終値 943.6円
労組:平均2,000円賃上げ要求(ベア1,000円含む)
企業:平均1,500円の回答(ベア500円含む)
本田労組はこの年、ベアとは別に「チャレンジ加算1,000円/人」を要求しました。
チャレンジ加算とは、従業員の挑戦意欲を高めるため、特別チャレンジングな行動を評価する独自制度で、年に2回チャレンジングな取り組みを行った従業員に対して賃金を上乗せする制度のようです。
会社側はホンダらしいチャレンジ精神を評価したようですが、
はたして採用されたのでしょうか?(; ・`д・´)
2021春闘「コロナ禍」
~当時の背景~
- コロナ禍中
- トヨタ労組:平均9,200円(ベ定等)、回答9,200円
- ホンダ株価:2021年1月終値 921.4円
労組:ベア見送り
企業:ベア見送り
コロナ禍であり業績見通しが減益であったためか、約8年ぶりにベア要求を見送ったようです(;´・ω・)
一時金については、2年ぶりに満額回答となりました。
2022春闘「パワー&スピード」
~当時の背景~
- コロナ禍中
- ウクライナへのロシア進行開始
- 円安に進み115円/ドル
- トヨタ労組:12種類の職種職位別(昨年同水準)、満額回答
- ホンダ株価:2022年1月終値 1,117.9円
労組:平均3,000円賃上げ要求
企業:満額回答
昨年のベア見送りに対し、この年は賃上げおよび一時金ともに満額回答だったようです( *´艸`)
会社側は「労使一体となった変革への思いを加速させるパワーを従業員に与えるため、またスピード感を持って変革に取り組む姿勢を示すため」と回答しています。
2023春闘「5%」
~当時の背景~
- 物価高が騒がれ始め、政府よりインフレ率を超える賃上げの要請
- 連合が5%程度の賃上げ実現を要請
- 昨年より21円円安に進み136円/ドル
- トヨタ労組:15種類の職種職位別(最高9,370円)、満額回答
- ホンダ株価:2023年1月終値 1,068.9円
労組:平均19,000円の賃上げ要求(ベア+定昇)
企業:満額回答(ベア12,500円+定昇6500円)
ホンダはこの年、連合の掲げる賃上げ率5%を達成しました!
一時金も6.4ヵ月分の要求に対し満額回答となったようです。
会社は「意志をもって行動し、成果を出す従業員を増やすことで職場の変革につなげて欲しいという思いを込めた」としています。
2024春闘「昨年を上回る賃上げ」
~当時の背景~
- 政府より昨年を上回る賃上げの要請
- 連合が5%以上の賃上げ実現を要請
- 昨年より10円円安に進み146円/ドル
- トヨタ労組:職種職位別(最高28,440円)、満額回答
- ホンダ株価:2024年1月終値 1,675.5円
労組:平均20,000円の賃上げ要求(ベア+定昇)
企業:平均21,500円の回答(ベア13,500円+定昇8,000円)
本田労組はこの年、賃上げ及び一時金において過去最高の満額回答を得ました( *´艸`)
賃上げについては、昨年の研修費用原資の再配分というものが行われており、さらに1,500円上乗せされた形となっております。
一時金については7.1ヵ月分で満額回答となったようです(; ・`д・´)
ホンダは2040年に全新車をEV電気自動車かFCV燃料電池車にする方針を掲げており、人材競争に備える意図もあったようですね。
2024春闘については以下の記事でも紹介しています👇
2025春闘「???」
2025春闘については、《2025春闘》”ホンダ労組”4年連続満額回答なるか?賃上げ目標と結果をチェック!にてまとめておりますので、ぜひご覧ください👇
まとめ:毎年春闘で良い回答を得たいですね!
今回の記事では、ホンダの労働組合「本田技研労働組合」さんに注目してこれまでの10年間を振り返りました。
各年度での要求額と回答額をまとめると以下の通りです。
年度 | 要求額(平均) | 回答(平均) |
2014 | 3,500円 | 2,200円 |
2015 | 6,000円 | 3,400円 |
2016 | 3,000円 | 1,100円 |
2017 | 3,000円 | 1,600円 |
2018 | 3,000円 | 1,700円 |
2019 | 3,000円 | 1,400円 |
2020 | 2,000円 | 1,500円 |
2021 | 見送り | 見送り |
2022 | 3,000円 | 満額回答 |
2023 | 19,000円 | 満額回答 |
2024 | 20,000円 | 満額回答+α 21,500円(ベア13,500円+定昇8,000円) |
2025 | ??? | ??? |
最後までお読み頂きありがとうございました!
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